
CROTは,OTがOTの臨床を専門性をもって説明できない現状を問題視し,有識者を集め,現代の学びの形を模索し,作成した作業療法のリーズニング力を鍛えるツールです.
2020年に完成してから,多くの養成校で導入していただいており,OTがカードを使って,仮想事例を作り出し,その情報からクライエントの物語を想像し,介入のキーポイントと,介入後の波及効果を披露しあう楽しく学べるツールです.
https://crot.thebase.in/items/29088415


CROTを1年使用していただいて,分かってきたことがあります.
CROTは,臨床の発想力を鍛える効果があることです.
これを何度も繰り返し使うことで,クライエントを前にして,
何をしてよいのか分からない,作業が浮かばないという状態が減るなど,発想力が強化されているということです.
しかし課題も見つかりました.
CROTは残念ながら,個人情報保護の観点から実際のクライエントではなく仮想事例に特化し,多くの方と議論し発想を得るとの観点で作られているため,実際の事例を使っての検討をすることが出来ない点です.

事例検討会で,こんな悩みはありませんか?
・準備が大変
・OTの視点で話せない
・粗探しになっている
・検討の視点が定まらない

これらは全て統一フォーマットを使うことで解決できます.
特にOTの視点で話せないとの問題は,OTの思考方法が世に広まっていないことが原因です.
PTさんのリーズニング視点は「知識」「認知」「メタ認知」で構成されます.
しかしOTは,PTさんの視点を科学的な視点と位置付けており,そのほかに
「物語的」:生きてきた歴史や,作業歴,価値観など
「実際的」:実際に用意できる物品,実際に有しているスキルなど
「倫理的」:規則やルール,気遣い,法律などの,作業に与える制限など
といった視点で,科学性も大事ですが,その人の想いや環境を同時に扱い,作業を決めていくといった視点を持っています.

その上,そこまで考えた作業でも,その日その場での感情に合わせ,即興的に変更・調整するのです.
それがOT独自の専門的思考です.
この視点を踏まえた検討が必要と考え,OT事例検討専用フォーマットCROT-Ⅱを作り上げました.
https://crot.thebase.in/items/48875422

職場や仲間間での,事例検討会をここから変えていきたいと思います.
一度お手に取って頂ければ幸いです.
事例検討用資料は,30分程度で作ることが出来ます.



準備が大変とはならないはずです!
最後までお読みいただき,ありがとうございました

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